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つくしさんのひとり言 2017年10月06日

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『ことば』は発達の原点②

人間は生まれた時からに包まれて成長します。

お母さんの優しい声や家族の声、生活の音や街の音などたくさんの音を耳にします。

やがてそれらの音の中から『ことば』を認識し、その意味を理解して『聞く』になります。

 

しかし発達障がい児の中には『聞く』力に偏りがあり、その多くを言葉ではなく音として認識していたり、聞いていてもその言葉の意味を理解できず戸惑いを感じているのではないでしょうか?

 

 

「お~ぃ A君、ちょっと!」と呼びかけます。

 

でも、A君は何の反応もしません。

 

なぜA君が反応しなかったのかを考察してみます。

 

①自分が呼ばれている事は分かるが、「ちょっと!」ってなに?

②なんて答えたらいいの?

③また叱られるのでは?

④何かに集中しすぎて聞こえていない。

⑤耳が機能的に聞こえづらい。 etc 

 

色々考えられます。

 

 

①「ちょっと!」ということばから、その意味が理解できず、返事をすべきだと思っていない。

 

②呼びかけられている事を理解していても、「ちょっと!」に対して、相手が何を望んでいるかわからない。

 「ちょっと来て!」「ちょっと手を止めて!」「ちょっとお話があるので!」等々、

 我々は日頃省略した言葉を使い、相手はその言葉を聞いてその時の状況や状態から何を要求されているか

 推測できますが、曖昧な表現は発達障がい児にとって理解するのが難しい言葉です。

 

③呼ばれるときはいつも 叱られるとき、文句を言われるとき、何か自分のしたくない事をさせられるとき等々、

 マイナスの経験ばかりで無意識に拒否している。

 

④一つの物事、例えばゲームやテレビ等に集中し過ぎて、呼びかけが聞こえない。

 

⑤医学的に耳の機能に異常があり聞こえづらい。 

 もっと単純に耳掃除をしておらず、耳垢で聞こえにくいという事が実際にありました。

 

 

 

「A君、少しゲームをやめてこちらに来てください!」

「少しだけお話ししたいですが、今お話しできますか?」等、

 

大人はついつい普段使い慣れている表現で子供たちに話しかけます。

でも、子供たちにとってはまるで 暗号 の様に聞こえているかもしれません。

 

 

 

つくしくらぶでこんな事がありました

 

職員:「B君、ファイルをカバンから出してもいいですか?」

B君:無反応・・・・。

職員:「B君、ファイルをカバンから出してもいいですか?聞こえていたら返事をしてください」

B君:無反応・・・・。

職員:「どうして返事をしてくれないの?」

B君:「いつもの事だからいちいち返事しなくてもわかるだろう!」

(毎日ファイルを取り出す事は習慣的な事なので、なぜ返事をしないとダメなのかがわからなかったようです)

 

 

 

職員:「Cさん!」

Cさん:無反応・・・・。(こちらに見向きもしません)

職員:「Cさん!」

Cさん:無反応・・・・。

他の職員:「Cさん、名前を呼ばれたら返事してね」

Cさん:「だって名前を呼ばれた後、次に何を言うのか待っててん!」

(大人の世界なら、名前を呼ばれたらまず返事をします。でも子供たちはその次の言葉を待っています。)

 

 

社会の中では呼びかけても話しかけても何の反応もないと、その人の事を周りの人たちは敬遠しだし、やがて疎外されてしまうでしょう。

 

 

具体的に一つ一つを丁寧にわかりやすい言葉で話しかける事は、面倒なことです。

ですが、たくさんの『良質のことば』を聞き、しっかりとその意味を理解することで子供と

楽しく会話ができ、やがてそれが『話す』力となり子供の豊な思考やコミュニケーション能力の向上につながると

考えています。